リサーチ・制作・品質チェックを役割分担するAIチーム基盤
業種: 自社(民泊・焙煎所兼シェアロースター・Web制作・DX伴走支援など複数事業の統括業務)/体制: 代表1名+役割分担したAIチーム/期間: 継続運用中(初期構築後も役割分担・品質チェックの仕組みを見直し続けている)
- 複数事業を一人で回す中で、リサーチ・制作・品質確認まで自分一人でやると処理しきれなくなった。
- 作業を役割ごとにAIへ分担させ、成果物を人が最終確認する体制に組み替えた。
- 今では日々の情報収集や制作物の下ごしらえをAIチームが担い、意思決定と最終判断に集中できている。
背景
民泊、焙煎所(シェアロースター)の共同運営、Webサービスの企画・制作など、性質の異なる複数の事業に携わっている。事業それぞれに、情報収集・文章作成・コードの実装・品質の確認といった作業が発生し、量も種類も増え続けていた。
何が問題だったか
一人がすべての作業を順番にこなす体制では、同時に扱える事業の数にも、1つの作業にかけられる丁寧さにも限界があった。特に「作ってみたものが本当に基準を満たしているか」を自分自身でチェックする工程は、作業者と確認者が同一人物になってしまい、見落としに気づきにくいという課題があった。
業務構造の整理
作業を洗い出すと、大きく「情報を集めて整理する」「実際に作る(文章・コード・デザイン)」「基準を満たしているか確認する」という3つの役割に分けられることが見えてきた。この3つを同じ人(自分)が兼務していたことが、ボトルネックの正体だった。
立てた仮説
この体制は最初から見通して設計したものではない。AIエージェントやワークフローについての情報を集め、知識を積み重ねていく中で、役割ごとに担当を分けそれぞれに適したAIを割り当てれば並行して作業を進められるのではないか、特に「作る」役割と「確認する」役割を分離すれば見落としも減らせるのではないか、という考えに少しずつ行き着いていった。
小さく試した内容
最初から全業務を任せるのではなく、まず一部の定型的な作業(情報収集・要約、簡易な制作物のチェック)から役割分担を試した。人が最終確認する工程は残したまま、AIに任せる範囲を少しずつ広げていった。
実装
Claude APIをベースに、リサーチ担当・制作担当・品質確認担当という役割ごとにAIを分け、Notion API経由でタスクの進行状況を記録・共有できるようにした。外部サービス(各種業務ツール)との連携には、MCPという共通規格を使い、個別にAPIを実装する手間を減らした。品質確認の担当を作業した本人(AI)とは別に置く体制も、情報を集めて知識を積み重ねていく中で、自己評価に偏らない形へと最適化していった結果である。
使用した技術: Claude API、Notion API、MCP(外部サービス連携の共通規格)
結果
日々の情報収集や制作物の下ごしらえの多くをAIチームが担うようになり、自分は最終確認と意思決定に時間を使えるようになった。複数事業を並行して見られる体制に近づいている。
役割分担したAIチームを日々の業務で運用し続けている実績に基づく。第三者による監査や外部への数値公開は行っていない。
うまくいかなかった点・制約
AIが確認した「できました」をそのまま信じると、実際には基準を満たしていないことがある。品質確認の役割を分けても、最終的に人が確認する工程は今も残している。また、役割分担の設計自体を頻繁に見直す必要があり、「作って終わり」にはならない仕組みだと実感している。
次の改善
確認の精度をさらに上げるための基準づくりと、事業ごとに異なる注意点をAIチームに正しく伝える仕組みづくりを続けている。
同じ課題を持つ人への示唆
一人、または少人数で複数の業務を回している場合、「集める」「作る」「確認する」のように役割を分けて考えると、どこにAIを使えるかが見えやすくなる。特に確認の工程を作業者と分けることは、AIを使う場合でも人が確認する場合でも有効な考え方。
関連サービス
AI顧問、AI業務自動化
著者: 稲福良祐(SATOYAMA AI BASE代表)/公開日: 2026-07-15/更新日: 2026-07-15